• 2026年10月5日
  • 2026年7月9日

発達障害の子どもへの接し方を精神科専門医が解説

発達障害の子どもへの接し方を精神科専門医が解説

「何度言っても同じことを繰り返してしまう」「つい怒ってしまう」「どう接すればいいのかわからない」。

発達障害のあるお子さんと向き合う中で、このような悩みを抱える保護者の方は少なくありません。

ADHDやASDのお子さんは、「できない」のではなく、「特性によって難しい」ことがあります。そのため、叱ることよりも、お子さんの特性に合わせた関わり方が大切です。

今回は、発達障害のある子どもへの接し方について、精神科専門医が解説します。

まず大切なのは「困らせたいわけではない」と理解すること

発達障害のお子さんは、

  • 忘れ物が多い
  • 集中が続かない
  • 落ち着きがない
  • 強いこだわりがある
  • 相手の気持ちを読み取ることが苦手

などの特徴があります。

これらは「やる気がない」「親の言うことを聞かない」からではなく、生まれつきの脳の特性によるものです。

まずは、「わざとではない」という視点を持つことが、お子さんとの関係づくりの第一歩になります。

1. 良いところを積極的に褒める

注意や叱責ばかりになると、お子さんは自信を失いやすくなります。

小さなことでも、

  • 宿題を始められた
  • 忘れ物が少なかった
  • 最後まで話を聞けた

など、できたことを具体的に褒めましょう。

「すごいね」だけでなく、「自分で準備できたね」「最後まで頑張れたね」と具体的に伝えることで、自信につながります。

2. 指示は短く、わかりやすく

一度にたくさんのことを伝えると、混乱してしまうことがあります。

例えば、

「帰ったら手を洗って、ランドセルを片付けて、宿題をしてね」

ではなく、

  1. 手を洗おう
  2. ランドセルを置こう
  3. 宿題を始めよう

というように、一つずつ伝える方が理解しやすくなります。

3. ルールを見える化する

発達障害のお子さんは、言葉だけよりも視覚的な情報の方が理解しやすいことがあります。

例えば、

  • スケジュール表
  • やることリスト
  • イラストや写真
  • タイマー

などを活用すると、行動しやすくなることがあります。

4. 苦手なことより得意なことを伸ばす

苦手なことばかりを指摘すると、お子さんも保護者も疲れてしまいます。

一方で、

  • 絵が得意
  • 電車に詳しい
  • 工作が好き
  • パソコンが得意

など、お子さんの興味や得意なことを伸ばすことは、自信や自己肯定感につながります。

5. 感情的に叱らない

何度も同じ失敗を繰り返すと、保護者もイライラしてしまうことがあります。

しかし、感情的に叱るだけでは、お子さんも「何がいけなかったのか」が分かりにくいことがあります。

叱るときは、

  • なぜ困るのか
  • 次はどうすればよいか

を短く、落ち着いて伝えることが大切です。

6. 保護者だけで抱え込まない

子育ては一人で頑張るものではありません。

困ったときには、

  • 学校の先生
  • スクールカウンセラー
  • 心理士
  • 児童精神科
  • 地域の相談機関

などを活用しましょう。

保護者が安心できることも、お子さんにとって大切な支援になります。

よくある誤解

「甘やかすと改善しないのでは?」

と心配される方もいます。

しかし、特性を理解して配慮することは「甘やかすこと」とは違います。

必要な支援を受けながら、少しずつできることを増やしていくことが、お子さんの成長につながります。

受診をおすすめするタイミング

次のような場合は、児童精神科や小児科への相談をおすすめします。

  • 学校生活に支障がある
  • 家庭で毎日トラブルになる
  • 友達との関係がうまくいかない
  • 保護者だけでは対応が難しい
  • 学校から相談を勧められた

「診断を受けるため」だけでなく、「接し方の相談」として受診することも大切です。

まとめ

発達障害のお子さんへの接し方で最も大切なのは、「困らせたいのではなく、困っている」という視点を持つことです。

特性を理解し、お子さんに合った伝え方や環境を工夫することで、生活しやすくなることがあります。

保護者だけで頑張りすぎず、必要に応じて学校や医療機関と連携しながら、お子さんの成長を支えていきましょう。


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新宿駅前こころと発達のクリニックでは、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、学習障害(LD)、不登校、不安症など、児童・思春期のこころの問題について診療を行っています。

お子さま一人ひとりの特性を大切にしながら、保護者の方と一緒に困りごとの解決方法を考えていきます。必要に応じて心理検査や学校との連携、薬物療法なども含め、総合的なサポートを行っています。

「受診した方がいいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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新宿駅前こころと発達のクリニック
院長 坂田晃浩

  • 日本精神神経学会 精神科専門医
  • 精神保健指定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 認知症サポート医
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