- 2026年8月14日
- 2026年7月9日
パニック発作が起きそうなときの対処法|精神科専門医が解説
パニック発作が起きそうなときの対処法|精神科専門医が解説
「急に動悸がして息苦しくなった」「このまま倒れてしまうのではないかと怖くなった」「また発作が起きるのではないかと不安になる」。
このような症状は、パニック発作かもしれません。
パニック発作は突然起こるため、「どうしたらよいか分からない」と不安になる方も少なくありません。しかし、発作への対処法を知っておくことで、落ち着いて対応しやすくなることがあります。
今回は、パニック発作が起きそうなときに試したい対処法について解説します。
パニック発作とは?
パニック発作とは、突然強い不安や恐怖とともに身体症状が現れる状態です。
主な症状には、
- 動悸
- 息苦しさ
- 胸の痛みや圧迫感
- めまい
- 手足の震え
- 発汗
- 吐き気
- 「このまま死んでしまうのではないか」という強い恐怖
などがあります。
多くの場合、症状は10〜20分程度でピークを迎え、その後徐々に落ち着いていきます。
まず知っておいてほしいこと
パニック発作が起きると、「心臓が止まる」「息ができなくなる」と感じることがあります。
しかし、医師の診察を受けて心臓や肺などに重大な異常がないと確認されている場合、パニック発作そのものが命に関わることは基本的にありません。
もちろん、初めて経験する強い胸痛や息苦しさ、意識障害などがある場合には、心臓や肺などの病気の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
対処法① 「発作だ」と気づく
発作が始まると、
「心臓がおかしい」
「倒れてしまう」
と考えてしまいがちです。
そんなときは、
「これはパニック発作かもしれない。必ず落ち着いてくる」
と自分に言い聞かせてみましょう。
症状を必要以上に怖がらないことが、悪循環を防ぐ第一歩になります。
対処法② 呼吸をゆっくり整える
発作中は呼吸が速く浅くなり、さらに苦しさを感じやすくなります。
腹式呼吸を意識して、
- 鼻から4秒かけて吸う
- 口から6〜8秒かけてゆっくり吐く
これを数分繰り返してみましょう。
ポイントは、「吸うこと」よりも「ゆっくり吐くこと」です。
対処法③ グラウンディングを行う
不安が強くなると、頭の中は「また悪くなるかもしれない」という考えでいっぱいになります。
そんなときは、5-4-3-2-1法(グラウンディング)を試してみましょう。
- 見えるものを5つ
- 触れられるものを4つ
- 聞こえる音を3つ
- においを2つ
- 味を1つ
順番に意識することで、「今ここ」に注意を戻しやすくなります。
対処法④ 安全な場所で休む
可能であれば、
- ベンチ
- カフェ
- 駅の休憩スペース
- 車内(運転中は必ず安全な場所に停車)
など、安全な場所で数分休みましょう。
「すぐに治さなければ」と焦るよりも、「少し休めば落ち着いてくる」と考えることが大切です。
対処法⑤ 症状と戦おうとしない
発作を無理に抑え込もうとすると、
「まだ動悸がする」
「まだ苦しい」
と症状ばかりに注意が向いてしまいます。
「今は不安なんだな」
と受け止めながら、呼吸や周囲の景色に意識を向けてみましょう。
やってはいけないこと
発作中は、
- 「絶対に倒れる」と思い込む
- 呼吸を速く繰り返す
- インターネットで症状を検索し続ける
- カフェインやエナジードリンクを大量に摂る
といった行動は、不安をさらに強めてしまうことがあります。
発作を繰り返す場合は
一度だけであれば強いストレスが原因の場合もありますが、
- 発作を何度も繰り返す
- 「また発作が起きるのでは」と外出を避けるようになった
- 電車や人混みが怖くなった
といった場合は、パニック症の可能性があります。
パニック症では、薬物療法だけでなく、認知行動療法などの心理療法も有効とされています。
早めに治療を開始することで、症状の改善や再発予防につながることがあります。
まとめ
パニック発作は非常につらい症状ですが、適切な対処法を知っておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。
発作が起きそうなときは、
- 「発作だ」と気づく
- 腹式呼吸をする
- グラウンディングを行う
- 安全な場所で休む
- 症状と戦いすぎない
ことを意識してみましょう。
一方で、発作を繰り返したり、不安のために外出や仕事、学校生活へ支障が出ている場合は、一人で抱え込まず、精神科や心療内科へ相談することをおすすめします。
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新宿駅前こころと発達のクリニック
院長 坂田晃浩
- 日本精神神経学会 精神科専門医
- 精神保健指定医
- 日本医師会認定産業医
- 認知症サポート医