- 2026年7月27日
- 2026年7月9日
筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)のやり方|不安や緊張を和らげるセルフケア 精神科専門医が解説
筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)のやり方|不安や緊張を和らげるセルフケア 精神科専門医が解説
「緊張すると肩に力が入る」「不安になると身体がこわばる」「寝ようとしても力が抜けない」。
このような状態が続くと、心だけでなく身体も疲れてしまいます。
そんなときに役立つセルフケアの一つが、**筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)**です。
筋弛緩法は、筋肉に一度力を入れてからゆっくり力を抜くことで、身体の緊張を和らげるリラクゼーション法です。精神科や心療内科でも、不安、緊張、不眠、ストレス対策として紹介されることがあります。
筋弛緩法とは?
筋弛緩法とは、身体の各部位に順番に力を入れ、その後に脱力することで、リラックスした感覚を得やすくする方法です。
不安やストレスが強いとき、人は無意識のうちに肩、首、顔、手足などに力が入っています。
しかし、緊張状態が続いていると、自分では「力が入っていること」に気づきにくくなります。
筋弛緩法では、あえて一度筋肉に力を入れることで、力が入っている状態と抜けた状態の違いに気づきやすくなります。
筋弛緩法の基本
基本はとてもシンプルです。
- 5秒ほど力を入れる
- 一気に力を抜く
- 10〜20秒ほど脱力した感覚を味わう
この流れを、手、腕、肩、顔、足など、身体の部位ごとに行います。
ポイントは、力を入れすぎないことです。痛みが出るほど強く行う必要はありません。6〜7割程度の力で十分です。
筋弛緩法のやり方
椅子に座るか、横になって行います。静かな場所で、呼吸をゆっくり整えながら始めましょう。
1. 手
両手をぎゅっと握り、5秒ほど力を入れます。
その後、一気に手を開いて力を抜きます。
手のひらが温かくなる感じ、軽くなる感じを味わいます。
2. 腕
両腕を曲げて、力こぶを作るように腕に力を入れます。
5秒ほど保ったら、ストンと力を抜きます。
腕が重くなる感覚を感じてみましょう。
3. 肩
両肩を耳に近づけるように、ぎゅっと持ち上げます。
5秒ほど力を入れたら、肩をストンと落とします。
肩や首まわりの力が抜ける感覚を意識します。
4. 顔
目をぎゅっと閉じ、口元にも軽く力を入れます。
5秒ほど保ったら、顔全体の力を抜きます。
眉間、目のまわり、あごの力がゆるむ感覚を感じます。
5. お腹
お腹に軽く力を入れます。
5秒ほど保ったら、ふっと力を抜きます。
呼吸と一緒にお腹がゆるむ感覚を意識します。
6. 足
つま先を自分の方に向ける、または足全体に軽く力を入れます。
5秒ほど保ったら、力を抜きます。
太もも、ふくらはぎ、足先がゆるむ感覚を感じてみましょう。
いつ行うのがおすすめ?
筋弛緩法は、次のような場面で役立ちます。
- 不安や緊張が強いとき
- 寝つきが悪いとき
- 肩こりや身体のこわばりを感じるとき
- 人前で話す前
- 仕事や学校の前後
- イライラしているとき
特に就寝前に行うと、身体の緊張がゆるみ、眠りに入りやすくなる方もいます。
効果を高めるコツ
筋弛緩法は、1回で劇的に変わるというより、繰り返すことで「力を抜く感覚」を身につける方法です。
最初はうまくできなくても問題ありません。
毎日3〜5分程度、短時間から始めるのがおすすめです。
また、腹式呼吸と組み合わせると、よりリラックスしやすくなります。
例えば、力を入れるときに軽く息を吸い、力を抜くときにゆっくり息を吐くと、自然に脱力しやすくなります。
注意点
筋弛緩法は安全に行いやすいセルフケアですが、以下の点には注意しましょう。
- 痛みがある部位は無理に力を入れない
- けがをしている部位は避ける
- 力を入れすぎない
- めまいや息苦しさが出る場合は中止する
持病や身体の痛みがある方は、無理のない範囲で行ってください。
セルフケアだけでは難しい場合もあります
筋弛緩法は、不安や緊張を和らげるための有効なセルフケアの一つです。
しかし、不安、不眠、気分の落ち込み、パニック発作などが続いている場合、セルフケアだけでは改善が難しいこともあります。
特に、
- 不安で外出できない
- 眠れない状態が長く続いている
- 動悸や息苦しさを繰り返す
- 仕事や学校に行けない
- 気分の落ち込みが2週間以上続く
といった場合は、精神科や心療内科への相談をご検討ください。
まとめ
筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)は、身体に一度力を入れてから脱力することで、緊張を和らげるリラクゼーション法です。
不安やストレスが強いとき、私たちは無意識のうちに身体へ力を入れています。
筋弛緩法を続けることで、「今、自分の身体に力が入っている」と気づきやすくなり、意識的に力を抜く練習になります。
特別な道具は必要なく、自宅や職場でも短時間で取り入れやすい方法です。腹式呼吸やグラウンディングと組み合わせながら、自分に合ったセルフケアとして取り入れてみましょう。
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新宿駅前こころと発達のクリニック
院長 坂田晃浩
- 日本精神神経学会 精神科専門医
- 精神保健指定医
- 日本医師会認定産業医
- 認知症サポート医