- 2026年9月14日
- 2026年7月9日
ASD(自閉スペクトラム症)とは?子どもの特徴を精神科専門医が解説
ASD(自閉スペクトラム症)とは?子どもの特徴を精神科専門医が解説
「一人遊びが好き」「予定が変わるとパニックになる」「友達との関わり方が少し独特かもしれない」。
このようなお子さんの様子を見て、「ASDではないか」と心配される保護者の方は少なくありません。
一方で、子どもの個性や性格によるものとの違いは分かりにくく、「様子を見ても大丈夫なのか」「受診した方がよいのか」と悩まれる方も多くいらっしゃいます。
今回は、**ASD(自閉スペクトラム症)**とはどのような特性なのか、子どもによく見られる特徴や受診の目安について、精神科専門医が解説します。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
ASD(Autism Spectrum Disorder:自閉スペクトラム症)は、生まれつきの脳の発達の特性によって、
- コミュニケーション
- 対人関係
- 興味や行動の特徴
に独自の傾向がみられる発達障害の一つです。
以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」などと分けられていましたが、現在はまとめて**ASD(自閉スペクトラム症)**という診断名が用いられています。
特性の現れ方は人それぞれで、困りごとの内容や程度も大きく異なります。
ASDの主な特徴
① コミュニケーションが苦手
相手の気持ちや表情を読み取ることが苦手な場合があります。
例えば、
- 会話が一方的になりやすい
- 相手の冗談や比喩を理解しにくい
- 空気を読むことが難しい
- 視線が合いにくいことがある
などがみられます。
もちろん、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
② 対人関係の特徴
友達が嫌いというわけではなく、「関わり方が分からない」ことがあります。
例えば、
- 一人遊びを好む
- 年上・年下とは話せるが同年代が苦手
- 相手との距離感が分かりにくい
- 友達とのトラブルが増えやすい
などがみられることがあります。
③ こだわりが強い
ASDでは、興味や習慣への強いこだわりがみられることがあります。
例えば、
- 同じ道しか通りたがらない
- 予定変更が苦手
- ルールに強くこだわる
- 好きなことを何時間でも続けられる
といった特徴があります。
興味のある分野では、高い集中力や知識を発揮することもあります。
④ 感覚が敏感・鈍感
感覚の特性もASDではよくみられます。
例えば、
- 大きな音が苦手
- タグ付きの服を嫌がる
- 偏食が多い
- 強い光が苦手
- 特定の匂いに敏感
などがあります。
反対に、痛みや暑さ・寒さに気づきにくい場合もあります。
ASDは「個性」とどう違う?
人見知りやこだわりがあること自体は、子どもによくみられる特徴です。
ASDでは、
- 年齢に比べて特徴が目立つ
- 家庭や学校など複数の場面でみられる
- 本人や周囲が困っている
- 学校生活や友達関係に支障が出ている
ことがポイントになります。
診断は「特徴があるかどうか」だけでなく、「生活への影響」が重要です。
ASDの診断はどうするの?
ASDは血液検査や画像検査だけで診断できるものではありません。
診断では、
- 幼少期からの発達の様子
- 保護者からのお話
- 学校や園での様子
- 対人関係やコミュニケーションの特徴
- 必要に応じた心理検査(WISCなど)
を総合的に評価します。
一度の診察で診断が確定しないこともあります。
ASDの治療・支援
ASDそのものを「治す薬」はありません。
しかし、お子さんの特性に合わせた支援によって、生活しやすくなることが多くあります。
例えば、
- 保護者へのアドバイス
- 学校との連携
- 環境調整
- ソーシャルスキルトレーニング(SST)
- 心理療法
- 必要に応じた薬物療法(不安やADHD症状など)
などを組み合わせながら支援を行います。
こんなときは受診を検討しましょう
次のような場合は、一度児童精神科や小児科へ相談することをおすすめします。
- 集団生活になじめない
- 友達とのトラブルが多い
- 強いこだわりで生活に支障がある
- 感覚過敏が強く学校生活がつらい
- 学校や園から受診を勧められた
- 保護者だけでは対応が難しい
診断を受けることが目的ではなく、お子さんに合った支援方法を一緒に考えることが大切です。
まとめ
ASD(自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや対人関係、こだわりなどに特徴がみられる発達障害です。
「育て方が悪い」「本人の努力不足」が原因ではなく、生まれつきの脳の特性によるものです。
早い段階で特性を理解し、お子さんに合った環境を整えることで、学校生活や日常生活が過ごしやすくなることがあります。
「少し気になるな」と感じたら、一人で悩まず専門医へ相談してみましょう。
新宿でお子さまの発達や学校生活についてお悩みの方へ
新宿駅前こころと発達のクリニックでは、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害(LD)、不登校、不安症など、児童・思春期のこころの問題について診療を行っています。
お子さま一人ひとりの特性を大切にしながら、保護者の方と一緒に困りごとの解決方法を考えていきます。必要に応じて心理検査や学校との連携、薬物療法なども含め、総合的なサポートを行っています。
「受診した方がいいかわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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新宿駅前こころと発達のクリニック
院長 坂田晃浩
- 日本精神神経学会 精神科専門医
- 精神保健指定医
- 日本医師会認定産業医
- 認知症サポート医